市が認める、ケヤキを残す価値とは?

狭山市緑の基本計画で保存基準

狭山市緑の基本計画」では、生活の傍らで自然の息吹を感じることは「健康でうるおいのある生活環境を創造するうえでかけがえのないこと」としています。具体的には「狭山市緑化推進及び緑地保全に関する条例」で高さ12m以上、幹の周囲が1.2m以上の樹木を保存すべき樹木として指定することができると規定しています。入間小のケヤキはこの基準を十分に満たしていて(高さ23m、周囲3.7m)、この計画を推進するために保存を積極的に検討すべきです。市のみどり公園課は街中の高木を保存すべき理由について「地域におけるランドマークとして景観要素もあり、これらを保存していくことで、緑化推進や緑地保全を啓発し、良好な自然環境の保全に資する(当会問い合わせへの回答)」と述べていて、入曽地区において入間小のケヤキほどふさわしい高木はありません。

狭山市緑の基本計画の表紙
「狭山市緑の基本計画」中の保存樹木に関する記述

初めて欠落?狭山市の景観地50

狭山市は2004年、市制施行50周年を記念して「狭山市の景観地50」を策定しました。市民から3千件を超える候補の応募があり、その中から選ばれた景観地の一つが「No.12 入間小学校のけやき」です。景観地50の説明では「市内の素晴らしい風景をまちの財産」とうたっていて、入間小のケヤキは市自らも認める大切な風景です。もし入間小のケヤキが切られてしまえば、50ある景観地の中で初めて、しかも市の都合で、欠落する景観地になります。

狭山市の景観地50の表紙
※「樹齢120年余り」の表記は学校の歴史と混同した誤りと考えられます。

そもそも小谷野市長が「何とか残したい」

そもそも今回の「入間小学校跡地利活用事業」の責任者である小谷野剛狭山市長は入間小の出身です。2022年5月の市長のコラム「One for All 市長が走る!」ではケヤキの思い出を挙げて、この木が特別な木であることを語っています。移植ができないことから伐根を受け入れていますが、複数の事業者が移植せずとも残したいと表明していた以上、計画を再考してトップの判断でケヤキを残す方向に舵を切るべきです。

 入間小学校の校庭には大きなケヤキが立ち、学校に通う多くの子どもたちの成長を見守ってきました。私も小学3年生まで入間小に通い、ケヤキの周りで友人たちと遊んだことを覚えています。

(中略)

入間小跡地に今も残るケヤキを何とか残したいと思ったのは地域の皆さんや私だけではないでしょう。

(以下略)

『One for All 市長が走る!』2022年5月より
狭山市webサイトより